クレーンの災害事例
CR85112
事 例
床上操作方式天井クレーン操作中つり荷と建屋支柱間に挟まれた
業 種
造船業
機 種
天井クレーン
被 災
死亡 1名
現 象
つり荷の転倒による挟圧
原 因
定盤上の溝型鋼を固定するクランプは万力の方法によるものであったが,その締め方にゆるみがあり,また,当該箇所の点検が行われていなかったこと.
被災者の操作位置がブロックとコンクリート支柱との間であったため,退避ができなかったこと.
定格荷重が10tであったにもかかわらず,つり荷の重量は12.5tであったため,クレーンが過負荷となっていたこと.
玉掛けおよび運転操作の作業を被災者1人が行っており,被災者は玉掛げ資格とクレーン運転の特別教育を修了していたもののクレーン運転士の資格は有していなかったこと.
反転作業の作業手順が定められていなかったこと.
対 策
作業に使用する設備などのボルト・ナットなどの脱落,ゆるみなどを点検し,欠陥がある場合には補修を行うこと.
いかなる場合であってもつり荷の荷重が定格荷重に対して過荷重とならないこと.
大型の荷の運搬作業にあたっては,合図者,補助者などをつけ十分安全が確認されてからつり上げ作業を行うこと.
作業手順を確立し,これに基づいて作業にあたらせるよう関係者に対し安全教育などを通じて周知徹底を図ること.
運転者の意志により遠隔操作もすることができることから「床上で運転し,かつ,当該運転をする者が荷の移動とともに移動する方式のクレーン」には該当しないので,つり上げ荷重が5t以上のクレーンの運転にあたってはクレーン運転士免許を有する者に行わせること.