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原 因 |
事故の発生原因として次のことが挙げられる.
- つり荷(重量3t)に対し,トラッククレーンが過負荷となったこと.
ジブ長さ23.4mジブの傾斜角65度における定格荷重は4.95tであるが,50度にするとその定格荷重が2.3tとなること.
- 過負荷を防止するための警報装置が作動し,ブザーが鳴っていたにもかかわらず運転を中止しなかったこと.
- 荷の置き場所に対し,安全な作業半径を確保することができなかったこと.
- 高圧線等に接近した場所で移動式クレーン作業を行ったこと.
- 混在作業現場における作業方法等に関し,十分な連絡調整が行われなからたこと.
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対 策 |
同種事故防止対策として次のことが考えられる.
- 移動式クレーンによる荷役作業にあたっては,クレーンの能力に応じた作業半径内においてつり荷の積み卸しができるよう,クレーンの設置場所を検討すること.
- いかなる場合においても,移動式クレーンが過負荷とならないようにすること.
警報ブザーが作動したときは直ちに運転を中止し,安全側に戻すこと.なお,最近は過負荷防止装置の自動停止型のものが普及されているので改善が望ましい.
- クレーン運転にあたって基本的な事項の欠如がみられるが,運転士等に対する安全教育の繰り返し実施が必要であること.
- 混在現場においては,つり荷の位置,合図,附近の障害物などに対する安全上の配慮等について,関係作業者間の連絡調整を十分に行うこと.
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