クレーンの災害事例
CR86032
事  例

エレベータの搬器に挟まれ

[あらまし]
業  種 クリーニング業 機  種 エレベーター
被  災 死亡 1名 負傷 1名 現  象 搬器と他の構造物による挟圧
原  因 事故の発生原因として次のことが考えられる.
  1. 搬器から荷(コソテナ)がはみ出したままの状態で運転したことによるものであるが,
    (1)搬器の出入口に戸が設けられていなかったこと.
    (2)昇降路に囲い等が設けられておらず,また,床面の出入口にも戸が設けられていなかったこと.
    (3)搬器の出入口の戸が閉じていない場合には搬器を昇降させることができない装置(ドアインタロックスイッチ)がなかったこと.
    (4)搬器内および搬器の上で動力をしや断する装置がなかったこと.
    などエレベーター構造規格に適合していないものを使用したこと.
  2. エレベーターの点検が行われていなかったこと.
  3. 運転方法,故障した場合の処置などについて関係者に対し,安全教育が実施されていなかったこと.
  4. 異常時に際し,事業場責任者への連絡,メーカー等への故障対応など安全管理体制が確立していなかったこと.
対  策 同種事故の再発を防止するため次の対策が考えられる.
  1. エレベーター構造規格に適合したものを設置すること.
  2. 運搬中,故障が発生した場合は,運転を停止し使用を禁止する表示等を行うとともに事業場責任者に通報し,メーカーまたは専門工事業者の保守を求めること.運転取扱い者が故障に対応中被災する事例がよく見られるが,故障対応に熟知している者以外の者による修繕等は避けること.
  3. 点検者を定め,定期的にエレベーターの安全措置について点検するとともに,運転取扱い者に対し安全教育を実施すること.
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