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あらまし |
ビル建築の基礎工事を請負ったA事業場は,事故発生の当日,アース・オーガー(基礎工事用機械)で削孔した直径約70cm,深さ約22mの孔に,直径50cm,長さ22.5m,厚さ4.5mm,重量1.5tの土止め用の鋼管ぐいをクローラクレーン(つり上げ荷重40t,5段継ぎジブ長さ30.48m)によりつり上げ,ソイルセメンを注入しながら徐々に降して埋める作業を行った.
鋼管ぐいを埋め終ったとき,前に埋めた鋼管ぐいに対して所定の間隔が保たれていないことが判ったため,いま埋めたばかりのくいを当該クローラクレーンを用いて引き抜くこととなった.
引き抜きにあたり,シャックルを鋼管ぐいに取付けて玉掛けし,ジブを少し起こしてから巻き上げようとジブ起こしをしたところ,ジブ起伏用のワイヤロープが突然切断し,ジブが隣接の東側のビルの壁面に寄りかかりながら北側隣家の屋根に倒壊した.
ジブが倒壊する直前のジブ傾斜角度は70度,作業半径12m,定格荷重は5.7tであった.
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