クレーンの災害事例
CR86091
事  例

トラッククレーンが転倒

[原因と対策]
業  種 建設業 機  種 トラッククレーン
被  災 重傷 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし 道路整備工事の作業中災害が発生した.
工事は,道路の山側に多段式の擁壁を建設するもので,事故発生前日には4段目までのコンクリート打設が終っていた.
事故発生当日は,5段目のコンクリート打設に必要なスライド式型わく(重量約320kg)を5段目へ移動させるため,リースしたオペレーター付きトラッククレーン(つり上げ荷重4.9t,ジブ長さ15.1m)によりセットした.
その後,コンクリート打設準備のため,このクレーンのフックにコンクリートホッパー(容量0.5m3,自重180kg)を取り付けて待機していた.
現場に到着した生コン車から,生コンをホッパーに投入した後,これをつり上げて右旋回させジブを倒し始めたところ,その途中で荷重がクレーンの定格荷重に達したため,過負荷防止装置が作動してジブの動きが停止した.
クレーンオペレーターは,もう少しジブを倒せば打設箇所へホッパーが届くと判断し,過負荷防止装置の作動スイッチを「自動」から「手動」ヘ切り替えて再びジブを倒し始めたところ,トラッククレーンが転倒した.
このとき,打設場所の足場上で待機していた別の作業者にジブが当たり負傷した.なお,附近には他の作業者数名がいたが,避けたため無事であった.また,オペレーターは2ケ月前に移動式クレーン運転士免許を取得したばかりであった.
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