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原 因 |
この事故の発生原因として次のことが挙げられる.
- オペレーターは,運転経験が短く,クレーンの危険性に対する認識が浅く,過負荷を防止するための安全装置である過負荷防止装置のスイッチを切って使用したこと.
- ホッパーに生コンを9割程度投入したため,つり荷の重量は1.215tとなっていたが,オペレーターが荷の重量を把握していなかったこと.(ジブを最大に伸張し,ジブの角度を46度とすると,フックには定格荷重の約1.46倍に相当する荷重がかかることになる.)
- 現場責任者も,クレーンが過負荷となっていることを把握できなかったこと.
- クレーンによる荷役作業において,作業開始前につり荷の重量,作業半径などを考慮したクレーン設置位置を決めていなかったこと.
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対 策 |
同種事故の発生を防止するため次の対策が必要である.
- いかなる場合も,定格荷重を超えてクレーンを使用してはならないこと.このため過負荷防止装置の機能を確実に働かせて作業を行うこと.
- 作業開始前に,トラッククレーンをその能力(特に,揚程,作業半径,定格荷重など)に応じたものを選定し,能力の範囲内の位置にアウトリガーを堅固な地盤に張り出し,確実にセットしてからクレーン作業を行うこと.
- 現場責任者は,予めつり荷の重量,形状等を的確に判断し,トラヅククレーンの性能を十分把握しておき,オペレーターの誤操作等に対し適切な指示を行うこと.
- クレーン作業中は,附近に労働者を立入らせないこと.
- オペレーターはもとよりクレーン関係の作業者に対し,常日頃からクレーンの危険性などについて安全教育を実施すること.
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