|
あらまし |
10階建SRC高層住宅の建設現場で,建屋外壁に設置されたロングスパン工事用エレベーターの使用中に災害が発生した.
災害発生当日,住宅の内装工事を請負ったA事業場は現場責任者の指揮のもと労働者5名が8階の各ルームの風呂場の生コンクリート流し込み作業を行っていた.生コンクリートの運搬は,現場で待機しているミキサー車から生コンクリートを一輸車に受けてロングスパン工事用エレベーターに乗せ8階へ運び込むものであるが,5人がそれぞれ同じ作業を行うため全員で搬器に搭乗した.
当該エレベーターは,現場元請のB事業場が設置し,その運転はB事業場が委託したC事業場の労働者が運転していた.
搬器を8階まで上昇させ,一輸車を搬器から順番に建屋側に移動させていたが,最後に被災者が一輪車の方向を建屋側へ変えようとしたとき一輸車が搬器上で横転した.このあおりで被災者の身体が搬器の外側へ押し出されるような形となり,その外側に張られていた安全ネットのすき間(55cm)から搬器とともに地上へ墜落したものである.
|
エレベーターの概要 |
1 種 類:ロングスパン工事用エレベーター
2 用 途:人荷共用
3 能 力:積載荷重1,200kg
4 搬 器:長さ8.6m,幅1.2m
5 安全柵:1個の長さ2m,高さ0.9m
|
|