工事用エレベーターから墜落

1. 搬器上で一輪車が横転した箇所には安全柵（手すり）がなかったこと．
   地上で搬器へ人荷が乗り込んだとき，安全柵をおろしたままにし引き上げてセットすることなく運転ていたこと．
2. Ａ事業場の現場責任者（作業指揮者）は８階で他の作業に従事していて当該エレベーターの安全柵を引き上げて作業を行わせるなどの作業の指示をしなかったこと．また，搬器に搭乗していた作業者の内でも安全柵をおろしたままでは危険であるという認識が欠如していたこと．
3. エレベーターの運転を行っていたＣ事業場の運転者が安全柵を引き上げないまま運転したこと．
4. 元請Ｂ事業場がエレベーターを貸与して使用させるにあたって，安全柵の使用等について指示をしていたにもかかわらずその徹底がされなかったこと．

1. ロングスパン工事用エレベーターは，一般に現場において各種の事業場が荷上げ等に使用している．このため，設置した者（一般に元請）はエレベーター構造規格等にのっとり設置されることはもとよりであるが，貸与を受け使用する全ての事業場に対し，安全柵の使用その構造・機能の保持，その他使用にあたっての留意事項を労働安全衛生規則第４編の規定に準して徹底すること．
2. 貸与を受けた事業場は，現場責任者を決め，指示された事項を遵守すること．
3. ロングスパン工事用エレベーターを使用する事業場は，作業の種類に応して作業手順を作成し，これにより作業を行うこと．なお，作業手順の作成にあたっては，元請と協議すること．
4. ロングスパン工事用エレベーターを運転および使用する労働者に対して，日頃から安全教育を行い安全認識の徹底を図ること．