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原 因 |
当該事故の発生原因としては次のことが挙げられる.
- 突風状況下でクレーン作業を行っていたこと.
- 車輪止めは,当初レール上から26cmの高さであったが,以前に走行レールが地盤沈下したため,レール高さを10cm高くした.このため16cmの高さになっていたこと.また,コンクリート製でレール基礎と一体になっていなかったため,その境目から壊われた.
- 走行用ブレーキの逸走防止限界速度は19m/secであり,制動力が不足していたこと.
- 逸走防止装置は,レールアンカー式のものでレール西端部に設けられていたが,クレーン作業中であったため使用していなかったこと.
- 事故当時走行レール上に雪が付着して走行車輪がスリップしたこと.
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対 策 |
同種事故防止のため次のことが挙げられる.
- 強風時には作業を中止すること.なお,強風後にクレーンを使用する場合は,クレーン各部を点検し,異常がないことを確認して作業を行うこと.
- 走行用ブレーキは,雪積等気象状況を考慮した能力のものとすること.
- 車輪止めの高さは,走行用車輪の直径の1/2以上とすること.
- 逸走防止装置は,クレーンの係留を目的とした走行路端部に設けるレールアンカー式のものよりも,走行路のどの位置でも固定することが可能なレールクランプ方式とする方が効果的であること.
- 走行レール上に雪積があった場合には,これを除去すること.
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