クレーンの災害事例
CR86121
事  例

トラッククレーンが転倒

[原因と対策]
業  種 移動式クレーンリース業 機  種 トラッククレーン
被  災 人的被害なし 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし 事故が発生したA事業場は,オペレーター付きの移動式クレーンのリース業を営むものである.
事故発生の前日,A事業場はB建機事業場から重量が6t強のパワーショベルを道路から約6m下方の野原につり卸すよう依頼があった.
A事業場のオペレーターはトラッククレーン(つり上げ荷重25t)を現場に持込み,B事業場の作業者2人と作業の打合せを行った.
パワーショベルは市道の車道上に置かれていたやめ,トラッククレ一ンを歩道側に近づけて横付けし,歩道側の2本のアウトリガーは最大限まで張り出したが,車道側のアウトリガーは交通に支障がないようにと張り出さずに設置した.なお,歩道と道路の間には高さ10mの位置に活線が通っていた.
オペレーターは自らパワーショベルを4点づりで玉掛けクレーンのジブを1段のままつり上げ,ジブが活線に接触しないようにその下側を伸ばして歩道上に仮置きした.このときパワーショベルの重量が6.7tであることを確認した.
次に,ジブを3段(23.8m)まで伸ばし,活線の向こう側にフックを下ろして同様の玉掛けをした.
そこでクレーンの安定性を確認するため,荷をフェンスの高さまでつり上げて様子を見たが異常がなかったので,旋回してジブを降下させたところ,過負荷防止装置が働き定格荷重を超えている旨の警報ランプが点灯した.
オペレーターは,クレーンの安定性が良くないと判断し,パワーショベルを元の位置に戻そうと荷の巻下げとジブの降下を同時に操作したところ,道路側から野原方向へ突風が断続的に吹きはじめ,クレーンが歩道側へ転倒し,パワーショベルは道路下の野原へ落下して,ジブが民家を直撃し家屋を破壊した.
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