クレーンの災害事例
CR87022
事 例
トラッククレーンのアウトリガの設置地盤が崩れつり荷が作業者の上に落下
業 種
土木工事業
機 種
トラッククレーン
被 災
死亡 1名
現 象
機体の落下
原 因
この災害の発生原因としては次のことが挙げられる.
事故直前のクレーンの状態はジブの長さ13m,ジブ角度35゜,作業半径が約11mで定格荷重内で過負荷の状態ではなかったことから,アウトリガの設置地盤が崩壊したことによりクレーンが傾いたものと考えられること.
崩壊した地盤の箇所はクレーンの転倒支点にあたる箇所であり,荷重が集中して異常な土圧となったものと思われること.
側溝の地山の地質等の状態に応じた矢板など土止めの措置が行われておらず,特に,アウトリガの設置位置付近についての補強もしていなかったこと.
側溝内の作業者がつり荷の下の位置で作業を行っていたこと.
事故発生時に元請M社の現場責任者等が不在であったため,適切な作業指示が行われなかったこと.
対 策
同種の災害を防止するためには次のことが考えられる.
移動式クレーンを設置する場含は堅固な地盤に設置すること.特に,掘削による側溝に近接して設置する場合は地山の形状,地質等の状態に応じた十分な強度を有する土止め支保工を設けること.
側溝内で作業を行うときは,地山の崩壊等のおそれのある箇所を矢板等により土止め措置を講ずること.
つり荷の下に入って行う作業を禁止すること.
クレーンの合図については,合図者を決めこの者に的確な合図を行わせること.
元請の現場責任者は,関係請負人に対して作業方法等必要な事項について作業開始前に指示すること.