クレーンの災害事例
CR87032
事 例
4足玉掛け用ワイヤロープの集束シャックルから上のワイヤロープが切断し,つり荷の下敷きとなる
業 種
コンクリート製品製造業
機 種
天井クレーン
被 災
死亡 1名
現 象
つり荷の落下
原 因
つり荷の重量(7.6t)に対し,それぞれの玉掛けワイヤロープ(径12mm,切断荷重2.2t)の安全係数が不足していたこと.特に集束シャックルから上のワイヤロープが著しく不足していたこと.
切断したワイヤロープには,油の塗布がほとんどされてなく,また,全体的に錆が発生し,ストランドの素線切れ(4本)があったものを使用したこと.
被災者は,つり荷に手をそえながらクレーン運転者に合図を送っていたため,つり荷の落下に際し逃げきれなかったこと.
対 策
つり荷の荷重に応じ,安全係数が6以上のワイヤロープを選定し使用すること.なお,使用にあたってはワイヤロープの摩耗,素線切れ等を点検し廃棄基準に達しているものを排除すること.
玉掛けワイヤロープの保守管理を徹底し,塗油,保管等責任体制を確立すこと.
クレーン等による荷役の基本的事項についてくり返し安全教育を実施すること.
つり荷に接触(近接)して作業を行うことを排除すること.このため,接触して作業を行わないように玉掛け用かぎ棒等を使用することなど作業規程を設ける等により安全作業の徹底を図ること.