クレーンの災害事例
CR87042
事  例

囲いのないエレベーターの搬器と天井梁との間に挟まれる

[あらまし]
業  種 自動車修理業 機  種 エレベーター
被  災 死亡 1名 現  象 搬器と他の構造物による挟圧
原  因
  1. 昇降路の周囲が壁や囲い等で覆われていなかったこと.また,昇降路の出入口に戸が設けられていなかったこと.
  2. 搬器には床板が張ってあったが,天井部分を含め周囲に囲いが設けられていなかったこと.また,搬器に乗り降りする出入口には戸が設けられていなかったこと.
  3. ドアスイッチ,ファイナルリミットスイッチ等の安全装置が設けられていなかったこと.
  4. 搬器のつり下げがチェーンであること等エレベーター構造規格に適合していなかったこと.
  5. エレベーター設置届の届出をしておらず,検査も受けていなかったこと.
  6. 定期的な自主点検を実施していなかったこと.
対  策
  1. 搬器の大きさが「床面積1m 2 を超えるものまたは天井までの高さが1.2mを超えるもの」の場含は,法令に定めるエレベーターに該当することに留意すること.ただし,積載荷重が0.25t未満のものは法規制の対象とはならない .
  2. 搬器の大きさが上記以下で,荷の運搬のみに使用されるものは簡易リフトとして適用されることに留意すること.
  3. 積載荷重が1t以上のエレベーターを製造する者は,エレベーターの型式により製造許可を得たものてあること. 設置する者は,所轄労働基準監督署あてエレベーター設置届を提出し,更に落成検査を受けなければならない.
    積載荷重が1t未満のエレベーターを設置するときは,エレベーター構造規格に適合していなければならない.
  4. エレベーターには乗用,荷物専用等の区別があるが,荷物専用のものにあっては人の搭乗を禁止し,その旨を表示しなければならない.
  5. エレベーターは,全ての戸が閉じていなければ昇降できない構造等の要件が必要で,これらの安全装置等は定期的に点検しなければならない.
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