クレーンの災害事例
CR87071
事 例
クローラークレーンによりH鋼をクランプづりして旋回中,つり荷が作業者に落下
業 種
河川土木工事業
機 種
クローラクレーン
被 災
死亡 1名
現 象
つり荷の落下
あらまし
河川改修工事の現場に,トラック2台で運搬してきたH型鋼(7,000mm×300mm×300mm,重量約685kg)8本を降ろす作業中の事故である.
当日は,朝から小雨が降っていたが,1台目のトラックが積んできた4本のH型鋼を作業者Aがワイヤロープで玉掛けをし,クレーン運転士Bがクローラクレーン(つり上げ荷重22.5t)で降ろす作業をしていた.
その頃から降雨が激しくなり,川床に集積してある土砂が流出するおそれがあったため,BはAにブルドーザーで土砂を川の端の方へ移動するよう指示し,2台目のトラックからのH型鋼荷降ろし作業は中止した.
そこへたまたま,F請負事業場の作業員Cが通りかかったので,BはCに2台目のトラックに積んであるH型鋼4本の玉掛けを命じた.この玉掛けに使用したつり具はクランプで,クレーン運転士であるBがつり支点を指示して1本目をトラックから降ろし,2本目も同じ方法でCが玉掛けをしてBがつり上げ,旋回作業にかかったところ,旋回範囲内に作業員Dがいるのを見て危険を感じ急停止したところ,つり荷が落下しDはその下敷きとなり即死した.
D作業員は1週間前に雇用されたもので,災害発生時何のためにこの危険箇所に立入ったかは不明であるが,降雨が激しくなってきたところから現場附近を片付けるために立入ったものと推察される.