クレーンの災害事例
CR87092
事  例

ホイールクレーンで仮設昇降タラップを運搬中,高圧線に接近し感電

[あらまし]
業  種 建築工事業 機  種 ホイールクレーン
被  災 死亡 1名 現  象 感電
原  因 当該事故の発生原因としては次のことが挙げられる.
  1. 荷を送電線の真下近くに置こうとしたこと.被災者Bも運転士Cも,送電線の存在は認識していたが,作業中はつり荷だけに注意を集中していたため,ホイールクレーンのジブが送電線に接近したことに気付かなかったこと.
  2. ホイールクレーンのジブが鉄骨建方を行った状態(長さ23m)のままで作業を行ったため,ジブが容易に送電線に接近しうる状態となっていたこと.
  3. 送電線からの安全な離隔距離が,容易に識別できる状態になかったこと.
  4. 被災者が,つり荷のタラップを手で保持しながら誘導をしていたこと.
対  策 同種事故を防止するためには次のことが考えられる.
  1. 作業者の目測上の誤差等を防止するため,移動式クレーンの行動範囲を規制するための木柵,またジブ等の行動範囲を制限するためのゲート等を設けること.
  2. 送電線に近接する場所での作業では,監視人を配置し,作業を監視させること.
  3. 関係作業者と作業計画について事前に打ち合わせを行い,感電の危険性を十分に周知させるとともに,作業標準を定めこれにより作業を行わせるようにすること.
    この際,荷の移動範囲は可能な限り,移動式クレーンの機体,ワイヤロープ等が送電線に接近するおそれが生じないよう設定すること.
    また,移動式クレーンでつった荷には直接触れないようにし,誘導等のため必要があるときは,繊維ロープを荷に結び,このロープを介して行う等の方法によること.
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