クレーンの災害事例
CR87102
事  例

作業者がクレーンのガーダーとリフターの手すりに挟まれた

[あらまし]
業  種 一般機械器具製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷、つり具が激突
原  因 当該事故の発生原因としては,次のことが挙げられる.
  1. クレーンガーダーとリフター又はその上の作業者とが接触し得る状態にあったこと.
  2. リフターを使用する作業とクレーン運転作業との連絡調整がなかったこと.
  3. Aはリフター使用について,事業場で定められた作業標準(ベンデイングローラー及びリフタ一の周囲にロープを張ること.クレーンの動力電源を切ること等)を順守しなかったこと.
  4. 天井クレーンを走行させた場合,クレーンのガーダとリフターの作業床とが接触するおそれがあったにもかかわらず,監視人を配置するなど両者の接触を防止するための措置がとられていなかったこと.
  5. クレーン運転者Bは事務部門に所属し,クレーン運転の頻度が少なく不慣れであったため,リフター等機械の配置について十分な認識がなく,状況の把握が不十分であったこと.
  6. 災害発生当時,リフター支柱の上部に取付けられた赤色の回転灯が点灯していたが,Bの位置したリフクー東側からは,リフターの手すり等が障害となってわかりにくかったこと.また,つり荷に気を奪われリフターに注意がいかなかったこと.
対  策 同種事故を防止するために,次のことが挙げられる.
  1. 当該天井クレーンのランウェイを高くするなど,抜本的な改良を施しリフターの昇降上限位置でのリフター及びその上の作業者との接触を防止すること.
  2. 1の措置を講じることができない場合にリフターを使用する時は,その周辺にロープ等を張って立入禁止区域を設定し,クレーンの電源を遮断するとともにスイッチボックスに「使用禁止」の表示板を掲げること.
  3. 容積の大きな荷をつる場合等で,クレーン運転者の視界が確保できない場合は,誘導者を配置する等,荷と他の作業者や機械設備等との接触を防止する措置を講じること.
  4. クレーン運転者の再教育を計画的に実施すること.また,運転は原則として専門の者に担当させること.
  5. 作業標準を見直し,不備な点について修正を行い,関係労働者に周知徹底を図ること.
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