クレーンの災害事例
CR87112
事 例
車両積載型トラッククレーンでつり荷をつり上げ旋回中,クレーンが横転して下敷きとなる.
業 種
建築工事業
機 種
積載形トラッククレーン
被 災
死亡 1名
現 象
機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
原 因
この災害の発生原因としては次のことが考えられる.
荷重800kgの資材を,クレーン旋回中心から5.9mの位置に卸すにあたり,ジブ長さ11.55m(5段目ジブ)まで伸ばして旋回を行ったため,荷による垂直方向の力に加え,遠心カによる転倒モーメントが作用して転倒したと考えられること.
事故を起した当該クレーンは,新規に購入したもので事故当日を含め4回しか運転しておらず,不慣れな点があったと思われ,誤操作の可能性が考えられること.
対 策
同種災害防止のため,次のことが挙げられる.
新機種のクレーンを使用するにあたって,クレーン運転者に対して十分な教育と実地訓練を施し,メーカーが発行する取扱説明書の注意事項を熟知させるとともに,性能曲線についても十分に理解させること.
クレーン運転者に対してクレーンの性能,つり荷の重量の確認及び定格荷重と作業半径の関係など安全な操作,また取扱いの基本的な事項について定期的に再教育を実施すること.