クレーンの災害事例
CR87121
事 例
積載型トラッククレーンのアウトリガを張り出さずに使用中,転倒し挟まれた.
業 種
建設事業
機 種
積載形トラッククレーン
被 災
死亡 1名
現 象
機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
あらまし
下水道工事が終了したため,水路締切用の土のうの撤去,残土の積込み作業中に災害が発生した.
災害発生当日,現場代理人Aは朝礼において積載型トラッククレーン運転士B(被災者)を除く関係作業者に対し作業指示を行った.
Aは現場事務所でBが来るのを待っていたがなかなか来ないので,他の工事現場へ作業指示をするために出向いた.その途中Bが運転する積載型トラッククレーン(つり上げ荷重2.52t)と出会い,Aは土のう撤去作業を自らの立会いのもとに実施させるため,Bに「すぐ戻るから待ってろよ」と指示し,他の工事現場へ向った.
一方,土のう撤去作業現場では作業者C,Dの2人が水路内で土のうを上げやすいように,位置をずらす作業をしていた.そこへBが現場に到着し撤去する土のうの上方歩道脇のガードレールと平行に50cmの間隔をあけクレーンを停車させた.そしてクレーンのアウトリガを引き出さず,作業半径4.48m(定格荷重0.6t)で水路にいるC,Dの近くにクレーンフックを降ろした.2人は土のう,コンクリート塊(重量0.93t)を積み込んだワイヤもっこ(200cm×200cm)をフックに掛けて退避した.
Bがワイヤもっこを水路上から約3mつり上げ,左旋回をしたとき,クレーンが転倒してBはガードレールと転倒してきたクレーンとの間に挟まれ被災したものである.