クレーンの災害事例
CR88041
事  例

つり上げようとしたH鋼が隣接したH鋼を倒しその下敷きとなった

[原因と対策]
業  種 金属製品製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の転倒による挟圧
 
あらまし この工場では,鉄骨の製造を行っており,切断,仮組,溶接,仕上げ等の順序で作業が行われていた.
災害発生当日,被災者は朝礼及び作業打ち合わせの後,前日の作業に引き続き溶接済みのH鋼を,溶接場と仕上げ場の中間にある仮置き場から仕上げ場に移動させ,溶接スパッタや錆落し等の仕上げ作業を行っていた.
午前9時頃,次の溶接済みH鋼を仕上げ場に移動させるため,ホイスト式天井クレーンを仮置き場まで移動させた.
仮置き場には,図のように上段に2本,下段に6本合計8本のH鋼が仮置きされていた.床面には3本の根太(角パイプ)が敷かれていたが,上段と下段のH鋼との間には根太が置かれていなかった.
被災者は,上段に置かれたNo.1H鋼を仕上げ場に移動させるため,No.1H鋼の中央部にクランプを掛け,1本づりの状態にし, 安全通路側の下段H鋼の上に立ってクレーンの巻き上げ操作を開始した.その途端,No.2H鋼が被災者側に倒れかかり,被災者はこのH鋼とともに床上に転落し,H鋼の下敷きになって死亡した.
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