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原 因 |
エレベーターの構造は図のようになっており,搬器は重さが約1.9t,カウンターウェイトの重さは約2.7tであった.搬器の昇降は,巻上機のシーブを回転させることにより,シーブとワイヤロープの間の摩擦力によりワイヤロープを移動させて行う.また,昇降時以外は,巻上機の電磁ブレーキによりシーブの回転を防いでいる.災害発生時にも,このブレーキがかかり,シーブは回転することはなかったが,搬器を解体したことにより,搬器の自重が著しく減少したため,カウンターウェイトとのバランスがくずれ,シーブとワイヤロープとの間の摩擦力では支えきれずにワイヤロープがスリップして搬器が上昇したものと考えられる.被災者以外の2人は,搬器の枠につかまるなどして,墜落を免れ,無事であった.
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対 策 |
同種災害防止のため,次のような対策が考えられる.
- 搬器やカウンターウェイトをつり上げた状態で解体することなく,例えば,カウンターウェイトを着地させた後,搬器を他の巻上機でつり,ワイヤロープを外してから搬器を降ろすことにより両者が着地した状態で解体すること.
- 事前に,エレベーターの構造等に応じた安全な作業手順を定め,作業指揮者の指揮の下で,この手順に従って作業を行うこと.
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