クレーンの災害事例
CR88112
事  例

玉掛中の荷が崩壊して落下

[あらまし]
業  種 その他の製造業 機  種 トラッククレーン
被  災 負傷 3名 現  象 つり荷の落下
原  因
  1. 骨組みは,ポールの両側で梁がガス溶断されて二つに分離しており,表面に貼られた看板そのものは,これを一体に保つ強度を有していなかったにもかかわらず,片側の玉掛け用ワイヤロープを外してしまったこと.
  2. 高所作業であるのに,Aは墜落防止措置を講じていなかったこと.
  3. CとDが,落下するおそれのある荷の下にいたこと.
    なお,骨組みが引っ掛かった原因は,ワイヤロープの緊張と同時にポールの両側の骨組みに中心であるポール方向への力が作用したため,分断された骨組みがこの方向に動き,ガス溶断後ポールに残された骨組みの梁による凸部と干渉しあったものと考えられる.
対  策
  1. 高所で玉掛けなどの作業を行う場合には,足場を組んで作業床を設けたり,安全帯を使用するなど墜落災害を防止するための措置を講ずること.
  2. 荷にかかる力と方向,それに対する荷の強度などを考慮した適切な玉掛けを行うこと.
  3. 玉掛けを外す場合は,荷の落下や転倒のおそれのないことを確認して行うこと.
  4. つり荷の下に人を立ち入らせないこと.
  5. 作業方法を変更する場含は,新たに生ずる危険性について十分検討し,対策を講ずること.
  6. 作業の危険性や適切な作業方法について,日頃から作業者に十分な教育を行うこと. なお,調査結果によると,Aはつり荷に囲まれたポールの上で合図を送っており,墜落の危険のみならず,つり荷に激突または挟圧されるおそれもあったものと思われる.安全に合図を送ることができる場所を確保することも,事前に検討しておく必要がある.
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