クレーンの災害事例
CR89011
事  例

つり荷の下側を溶接作業中,つり荷が落下

[原因と対策]
業  種 金属製品製造業 機  種 テルハ
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の落下
 
あらまし 災害が発生した事業場は,建設工事の下請けとして工事現場において土止め支保工用ブラケット,鉄製階段等を溶接,組立てし,また,工場において金属材料の切断等の前加工を行っているものであるが,冬期は雪で仕事が無いため建設現場で使用する機械等の整備作業をしていた.
災害発生当日,溶接工A,Bの2名は鋼材切断用バンドソー(約2t)の据付用台座を次の手順で製作していた.
  1. 台座用鋼板(1240mm×2443mm×16mm,重量373kg)2枚をガス溶断する.
  2. 台座用鋼板を1枚ずつ玉掛けし,床上運転方式のテルハ(つり上げ荷重2t)で溶接用受台の上に移動する.
  3. 2枚の継ぎ目を上面から突合せ片側アーク溶接を行う.
  4. 台座の周囲にはかま用アングル材(65mm×65mm×5mm)をシャコ万力で仮止めし,上側を断続すみ肉溶接を行う.
  5. 台座(重量766kg)の中央につりピース( ]型チャネル材をL型にガス溶断したもの)を断続すみ肉溶接で取り付ける.
  6. つりピースにシャックルを取り付け,台座をテルハで約1mつり上げる.
  7. 台座をつり上げたままの状態で,Bが荷の揺れを両手で押さえ,Aが荷の下でアングル材の下側を断続すみ肉溶接する.
この(7)の作業を行っているとき,つりピースの溶接部が剥離して台座が落下し,Aはその下敷きとなった.
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