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原 因 |
この災害の原因としては,次のことが挙げられる.
- つりピースの溶接部が強度不足であったため,剥離してしまったこと.
溶接部の強度を検討したところ,溶込みが十分で,欠陥さえなかったならばこのような事故にまではならなかったと思われるが,つりピースの溶接部が仮溶接であったため欠陥が多く,強度が不足していたこと.
- 重量物である台座が,クレーンでつられたままの不安全な状態で落下の危険があったにもかかわらず,その重量物の下で溶接作業をしていたこと.
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対 策 |
同種災害を防止するため,次のような対策が考えられる.
- 重量物の下面の溶接を行う場合には,クレーンで荷をつったまま,その下に入って作業することを禁止し,次のような方法をとること.
(1)つり荷をクレーンで適当な高さの堅固な架台の上に移動し,固定した後,つり荷の 下に入り,上向き姿勢で溶接作業を行う. (2)クレーンで荷の端をつって,堅固な支持物に立掛け,倒壊防止措置をとり,立った 状態で溶接作業を行う. (3)周囲を広くとり,安全を確かめた後,荷を反転させ下向き姿勢で溶接作業を行う.
- つりピースの溶接に当たっては,予め材料の強度を把握し,十分な溶接寸法とするとともに,溶接部の欠陥の有無を確認すること.
- クレーンを使用する作業については,つり荷の形状に応じた玉掛方法の選定,適切な玉掛用具の使用,合図の方法等について,安全な作業標準を作成し,これに基づいて作業を行うこと.
- 以上の各項目の措置を徹底させるため,関係労働者に対し,機会あるごとに繰り返し安全教育を実施すること.
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