クレーンの災害事例
CR89021
事  例

天井クレーンの操作を誤り,つり荷が落下

[原因と対策]
業  種 一般機械器具製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の落下
 
あらまし 災害が発生した事業場は,主としてプラスチック成形機の製造を行っているものであるが,この災害は,外注先が製作したプラスチック成形機のテーブルベースを工場に受入れる作業中に発生した.
災害発生当日,資材課係員Aは4tトラックで外注先からこのテーブルベースを工場へ輸送し,同僚Bと2名で工場の床上操作式天井クレーン(つり上げ荷重10.194t)によりテーブルベース(789mm×1170mm×40mm,重量250kg)の荷卸し作業を行っていた.
荷卸しの作業は,クレーンの運転をBが,玉掛けをAが行った.2枚重ねたテーブルベースを図1のように玉掛け用フックを用いて2点づりし,トラックの荷台から,トラックの東側に荷を卸すものであった.
しかし,Bはトラックの荷台から70cm程度巻き上げた後,クレーン操作用ペンダントスイッチの「東」を押すべきところ,誤って「西」を押してしまったため,荷が西側に動き始めた.
これを見たAは,西側にある事務室に荷が激突するのを防ぐため,荷の西側に回り込んで荷の動きを手で止めようとしたが,荷の重量に負けてバランスを崩しトラックの荷台から転落した.
さらに,Aが荷を押さえたため,2枚に重ねたテーベルベースもバランスを崩し,玉掛け用フックから外れ,転落したAの上に落下したものである
なお,A,B両名は玉掛技能講習を修了していたが,クレーン運転の特別教育(現行:床上操作式クレーン運転技能講習)は修了していなかった.
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