クレーンの災害事例
CR89031
事  例

つり降ろした荷が横転し,頭を挟まれる

[原因と対策]
業  種 土木工事業 機  種 クローラクレーン
被  災 死亡 1名 現  象 床上の物体の転倒によりる挟圧
 
あらまし 水管敷設工事において発生した災害である.工事の内容は,海岸の砂地に長さ264m,深さ3~6m,幅約3mの溝をドラグ・ショベルで明り掘削し,そこに外径約1.5mのヒューム管を埋設する作業であった.
災害発生当日は,新たに4本のヒューム管を敷設する予定で,午前9時頃から作業を開始した.前日までに,既に15本目までヒューム管の敷設を終了していたので,16本目から19本目までのヒューム管を,クローラクレーン(つり上げ荷重16トン)により溝の中につり降ろして仮置きした.
次に,それぞれのヒューム管を接続する作業に移ったが,前日敷設した14本目と15本目のヒューム管の接続が不完全であったため,この接続から行うこととなった.
接続作業は,16本目のヒューム管を15本目のヒューム管の近くに置き,両管の間にジャッキをセットした後,15本目のヒューム管をクローラクレーンでつって地切りさせ,ジャッキを伸ばしてこれを14本目のヒューム管の受け口部に嵌め込むという手順で行うこととした.
まず,16本目のヒューム管を玉掛けし,クローラクレーンでつり上げてジャッキのセット位置まで移動させた後,管の差し込み部側の端から約50cmの位置に角材を敷き,その上に着地させ,玉掛用ワイヤロープが緩まないように保持した.
この半づりの状態で差込部にゴムのパッキングを巻いて再びこれを僅かにつり上げ,溝の中にいた作業者A及びBの2名が手で抑えながら正しい設置位置に着地させた.
玉掛けワイヤロープは緊張させたまま,Aが16本目のヒューム管の横転防止のために置く角材を探していたとき,着地させていたヒューム管が突然横転し,横にいたBは土止めの鋼矢板との間に頭を挟まれた.
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