クレーンの災害事例
CR89042
事  例

スタッカークレーンのフォークが落下し,墜落

[あらまし]
業  種 電気機械器具製造業 機  種 その他のクレーン
被  災 負傷 1名 現  象 作業床等から墜落
原  因 2号機が止まった原因は,2号機が5段目の棚に金型を収納した後,フォークを収納しながら待機位置まで戻る途中,4段目の棚に収納されていた金型に取り付けられていた油圧ホースが,これを載せていた木製パレットからクレーン側にはみ出していたため,下降してきたフォークの下部に引っ掛かり,引っ張られた金型が横転してその端部がパレットからはみ出し,これにフォークの上部が引っ掛かったものと推定される.
なお,この時点で,フォークが収納途中に上昇又は下降できる範囲を越えたことを検出する装置が作動し,非常ブザーを鳴らすとともに,2号機は停止した.
また,金型が外れた後にフォークが落下したのは,フォークをつり上げていたローラーチェーンが緩んでいたためである.
2号機には,このローラーチェーンの緩みを検出して,作動を停止させる装置が設けられていたが,何らかの原因により作動しなかったものである.
対  策 同種災害防止のため,次のような対策が考えられる.
  1. 本災害における油圧ホースのように棚からはみ出すおそれのあるものは,ロープで固定すること等により措置しておくこと.
  2. 各種安全装置については,検査・点検を励行し,異常があれば,確実に補修しておくこと.
  3. 異常や故障により停止した機械について補修等の作業を行う場合には,機械全体の状況を観察,確認し,安全な作業方法を定め,必要な措置を講じてから,当該作業を行うこと.本災害について言えば,フォークを下から支えるか,上から吊った状態にしておくことにより,フォークが落下するおそれがないようにしておくこと.
  4. 墜落による危険のおそれのある箇所で作業を行う場合は,安全帯等を使用すること.
  5. 予想される異常や故障に対し,基本的な作業手順や作業方法を定め,作業者に周知すること.
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