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原 因 |
災害発生時におけるクレーンの状態では定格荷重が約7tであり,過負荷によって転落したものではない.作業構台の幅は約6mであるが,トラッククレーンがアウトリガを最大に張り出すと,その左右の幅が約5.9m(アウトリガ中心間距離)が構台からはみ出すため,この作業のときは最大より若干縮めて約5.4mの幅としていた.しかし,ほとんど構台の幅いっぱいであり,転落の原因は作業の経過とともに後部のアウトリガ位置がずれたか,またはなんらかの衝撃でアウトリガが構台から外れたことによるものと考えられる.また,被災者がクレーンの旋回半径内にいたことも災害の原因となっている.
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対 策 |
このような災害を防止するための対策として次のことが挙げられる.
- 移動式クレーンはアウトリガを最大に張り出してもなお余裕のある位置に設置すること.やむを得ずこのような狭隘な場所で使用するときは,アウトリガの位置のずれに十分注意するとともに,衝撃的な力が加わらないようクレーンは低速でゆっくりと運転すること.
- クレーンの旋回範囲内に人を立ち入らせないこと.
- 作業開始前に打ち合わせを行い,考えられる危険について点検し,十分な点検と対策を講じるようにすること.
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