クレーンの災害事例
CR90032
事  例

回転したつり荷に当たり墜落.

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 トラッククレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷、つり具が激突
原  因 本災害の発生原因としては,次のことが挙げられる.
  1. 親綱を設け安全帯を使用する等作業者の墜落防止措置がとられていなかったこと.当初防網(安全ネット)が設けられていたが,足場の解体に合せて災害発生時には取り外されていた.
  2. つり荷をつり上げる位置がトラス橋の内側であり,移動式クレーンの巻上ワイヤロープを内側に引き込んでつり上げることとなったため,斜めづりになり荷が振れやすかったこと.
  3. つり荷の振れを止めるための,振れ止めワイヤロープ等を使用しなかったこと.
対  策 高所における玉掛け,荷受け等の際,つり荷が振れて作業者が墜落するという災害はかなり多く見られるものである.このような災害を防止するための対策として次のことが考えられる.
  1. 墜落の危険がある作業においては,防網を設ける,容易に安全帯が使用できるような親綱を設け,作業者に安全帯を使用させる等墜落防止措置を確実に行うこと.解体工程の作業手順を検討し,防網は可能なかぎり後順位に取り外すようにすること.
  2. つり足場の組立,解体のような危険度の高い作業については,作業方法,手順,人員配置,安全対策等を事前に十分検討し,その実行体制を整備すること.
  3. クレーン等によって荷をつり上げる場合は,横引きにならないよう垂直につり上げることが原則である.本作業のように垂直につり上げることが困難な場合は,つり荷の振れを防止するために,振れ止めワイヤロープ等を設け,安全な作業位置から振れ止めの措置を取ることが必要である.
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