|
原 因 |
この災害の原因として次のことが挙げられる.
- 玉掛け方法が不適切であったこと.玉掛けワイヤロープが,広いつり角度(130゜)でフックにかけられていたため,水平方向に大きな力が加えられて外れ止めが押し曲げられた.外れ止めは,玉掛けワイヤロープ等がゆるんだときにフックから外れることを防止するためのものであり,玉掛けワイヤロープにかかる重量を支持するものではない.
- つり荷の下の危険区域内に入ったこと.
|
対 策 |
同種災害の防止のための対策として次のようなことが挙げられる.
- 荷の形状,寸法等に合った適切な玉掛け用具を使用させること.玉掛けワイヤロープのつり角度が大きい場合には,本件のような災害を発生するおそれがあり,逆に,鋼管端にフックを掛けるような形で,つり角度が小さいときにはフツクが鋼管から外れる危険が生じる.常につり荷の形状,寸法等に適合した玉掛け用具を選定・使用するため,事前の検討を怠らないこと,また,種々の玉掛け用具を用意しておくことも必要である.
- 荷の下に立入らないこと.クレーン災害には,不必要に荷に近づき,あるいは荷の下に入って発生している例が多い.クレーン作業においては,必要のない者はつり荷から十分安全な距離を確保するよう習慣化すること.また,作業の指揮に当たる者が,作業の手順等を明確に指示するとともに,不安全行動を行わないよう常に注意し,指揮していくことが重要である.
|
|