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原 因 |
本災害の直接原因としては,次のことが挙げられる.
- Bはクレーン運転の経験がなくクレーンの操作を誤ったこと.
- 被災者が,つり荷に近づいており,退避しにくい位置(6本目と7本目のH型鋼の間隔は起こした状態でのウェブ間距離で約l.8m程度であった.)にいたこと(H型鋼が転倒せず,通常の反転作業を行ったとしても挟まれていた可能性がある.)
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対 策 |
同種災害を防止するための対策として次のことが挙げられる.
- クレーンの運転は所定の資格を有する者のみに行わせることを徹底すること.
- クレーンを操作するときは,周囲の作業者の位置,自らの退避スペース等を確認するとともに,押ボタンスイッチが正しいか目視して確認することを習慣化するよう教育すること.鋼材の反転等においてスイッチの押し間違い,また,外した玉掛用具が引掛って鋼材が倒れるなどにより被災する例が多い.このような事故を防ぐためには,何か異常が生じても安全なよう,常に周囲の状況を確認しながら作業を行う習慣をつけさせることが重要である.
- 関係労働者に安全教育を徹底すること.クレーン作業は本来危険を伴うものであり,関係労働者が安全な作業方法について十分な知識を持ち,危険な行為を避けるようにさせることが必要である.
- 安全管理体制の整備,安全活動の充実を図ること.上記1.及び3.の背景として,安全管理が不十分であったことが考えられる.体制の整備を図るとともに,安全教育,作業開始前打合せの徹底等の活動を充実することが必要である.
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