急な巻き下げの反動で移動式クレーンが転倒

1. クレーンの設置場所が適切でなかったこと．
   クローラを土手の幅ぎりぎりの所に片側だけ張り出して設置したこと．また，クローラ両側の転倒支点部分の地盤が軟弱であったこと．
2. ジブの傾斜角に対する定格荷重を認識していなかったこと．
3. このクレーンは，直前の作業を杭打機として使用していたが，クレーン仕様に切り替えるとき，過負荷防止装置をセットしないまま運転したこと．
4. 適切な玉掛け用具を使用しなかったこと．

1. クレーンの設置場所を決定するときは，周囲の状況を詳細に検討し，安全な場所に安定した状態で設置すること．
2. クレーンは正常な状態で使用すること．
   過負荷防止装置，巻過防止装置等の安全装置を有効な状態としておくことはもちろんのこと，安全装置やブレーキ等が正常に機能することを作業開始前に点検することが必要である．
3. 安全教育を徹底すること．
   クレーンの運転等危険な業務に従事する者には常に最新の知識を付与し，また，安全作業を習慣化させるため，くり返し教育を行うことが必要である．