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あらまし |
この災害は,建設業を営む事業場の資材置き場において発生したものである.
災害発生当日,被災者ら5名はビル建築工事現場で使用する杭打機を運ぶため,大型トラック2台に杭打機の部材,部品を積み込む作業を行っていた.積み込みはつり上げ荷重35tのクローラクレーンを使用し,1台目のトラックに杭打機のリーダー,敷板等を積み込んだ後,2台目のトラックに杭打機のステーを積み込むこととした.
ステーは2本を分割したものが4本あったが,4本目のステー(長さ約14m,重量約1t)をトラックに積み込むとき,ステーの上下が逆であることに気づき,ステーの中央部に両端アイの玉掛け用ワイヤロープ(径12mm,切断荷重約8t)1本を用いて図のようにアイにロープを通して玉掛けし,ステ一を少しつり上げた状態で,被災者らがステーを回転させて上下を反転した.
3本目までのステーはワイヤロープ2本を用いて4点づりで玉掛けし,積み込みを行ったが,この4本目は玉掛け位置が重心から外れて不安定な状態にあり,また,ステーの前後の向きが反対であったことから,トラック荷台上に移動させる前に何回か巻上げたり,方向を変えるなどの作業を行った.その後,ステーをトラック荷台上に移動させていたとき,玉掛けワイヤロープが突然切断しステーが落下,下にいた被災者に激突した.
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