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あらまし |
災害は建設業の事業場の機材倉庫において発生した.
災害発生時,作業員AとBは2人で,工事現場から引き上げてきたコンクリートミキサー(トラック荷台上に置いて使用するもので,重量約900kg)を,倉庫内に片付ける作業を行っていた.この作業には倉庫に設置された天井クレーンを使用した.クレーンは,つり上げ荷重2tで電動チェーンブロックを使用しており,巻き上げ,下げは動力により行うが,横行,走行は人力により行うものである.
Aがミキサーを乗せたトラックを倉庫内まで運転してきた後,Aはクレーンを操作し,Bが荷台に上がり,専用の玉掛ワイヤロープにより玉掛けを行った.Aがミキサーをつり上げ,操作コードを引張って倉庫の奥の方へ移動させていたとき,Bが事務所から呼び出しを受け,その場を離れた.
Aがさらに奥にミキサーを移動させ,ボーリングマシンと発電機が並んで置かれているところの上を通過させようとしたところ,ミキサーの底部がボーリングマシンの排気用マフラーに当たった.
Aはこれをよけようと発電機の上にあがり,操作コードを引張っていたが,倉庫の外で片付けを行っていた被災者Cがこの様子を見て,手伝おうと近づき,ミキサーを押し始めた.
Aはミキサーをもう少し上げようとCに声をかけ,巻上げ操作スイッチを押したところ,巻上げ用チェーンがフックの取付部分から切断し,ミキサーが落下した.そのためCは建屋の柱とミキサーとの間に挟まれ重傷を負った.
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