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あらまし |
災害は建設業の事業場の資材置場で発生した.資材置場は東西約60m,南北約100mで,北側入口から約10m南の高さ約10mの位置に送電線が東西方向に通っており,その電圧は66,000Vであった.
災害発生当日,被災者Aと作業者Bは作業指揮者からこの資材置場の片付けをするよう指示された.作業内容は資材置場北側入口横に置かれた鉄板4枚を南側の.所定の置場に移動させるというものであり,この作業にはつり上げ荷重2.9tのトラツククレーン及び2tのダンプトラックを使用することとしていた.
トラッククレーンとダンプトラックの運転はBが行ったが,先ずダンプトラックを送電線の直下に停め,次にトラッククレーンをダンプトラックと移動させる鉄板との間に停め,アウトリガを張り出してセットした.
先に入口に近い側の鉄板をダンプトラックに積み込むこととし,Aがクランプにより玉掛を行い,積み重ねられた3板の鉄板を順次ダンプトラック荷台に積み込んだ.続いて,その西側に置かれた4枚目の鉄板(重量約400kg)を積み込むため,ジブをやや伸ばした状態で3枚目までと同様の方法でAが玉掛けを行い,鉄板をつり上げた.
Bはジブを右に旋回させ,ダンプトラックの方へ鉄板を運んでいったが,Aは鉄板が振れないようにこの鉄板を押えながら移動していた.ところが,鉄板がダンプトラック荷台のところに来たときトラッククレーンの巻上げ用ワイヤロープが送電線に接触し,Aは感電して死亡した.
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