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原 因 |
本災害の原因としては次のことが考えられる.
- 支保工の上部の空間に余裕がなかったこと.
- 作業者がつり荷の付近にいたこと.
- 本現場での支保工の移動は災害時が初めてであり,関係作業者が作業に十分習熟していなかったこと.
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対 策 |
本件のような災害を防止するための対策としては次のようなことが考えられる.
- 十分な空間的余裕を持った形で作業を行うこと.支保工をもっと横に引き出しておけば橋桁に当たる可能性も少なかったものと推測される.
- つり荷の振れ止めは手によらず介錯ロープ等を使用すること.本件の場合被災者はつり荷が少し振れたため,これを止めようと近づいたものと見られる.特に大型の荷では荷の振れ,落下,転倒により近くの作業者が被災する危険が大きい.荷の振れ止めにはロープ等を使用し,できる限り荷から離れることが重要である.
- 荷の監視の方法を検討すること.作業指揮者は下から荷を見て合図を行っていたが,離れた所の物の間隔は把握しにくい場合も多いことから,その位置を工夫する等,安全で確実に荷の監視,合図を行えるようにする必要がある.
- 作業前の打合せを徹底すること.本件のように初めての作業の場合は特に作業前に考えられる危険を検討し,安全な作業の方法を打合せ,関係者に徹底しておくことが重要である.
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