クレーンの災害事例
CR91051
事  例

巻上げワイヤロープが切断し,フックが落下

[原因と対策]
業  種 運輸業 機  種 ホイールクレーン
被  災 負傷 1名 現  象 つり荷、つり具が激突
 
あらまし 災害が発生したのは,機械類を一時的に保管する倉庫内においてである.災害発生当日の作業は保管されている機械類をトラック5台に分けて積み込み,倉庫から搬出するというものであった.
機械類のトラックへの積み込みには,通常フォークリフトを用いることが多いが,荷の種類によっては安定性等を考慮し,移動式クレーンを使用することがある.災害時は,荷が滑りやすいとの運送業者の判断で移動式クレーンを使用することとし,クレーン業者につり上げ荷重25tのホイールクレーンを依頼していた.
作業は,クレーン運転士A,玉掛及び作業指揮を行うB,トラックとクレーンの誘導を行うC,さらにトラック運転士の計4名で行い,午後から2台のトラックに機械5台を積み込み搬出した.
機械の積み込みに当たって倉庫内の天井が低く,また,7.5mの高さに梁があり,ジブを十分起こすことができなかったため,作業開始時から巻過防止装置の機能を停止したままの状態としていた.
次に3台目のトラックに機械を積み込む作業に移り,Bが機械上部に取り付けられたアイボルト4本にシャックルを介して両端アイのワイヤロープ2本を使用し玉掛けた.
クレーン運転士Aは,主巻を用いて荷をつり上げた後ジブを伸ばしながら旋回し,トラックの横まで運んだ.そのときBはトラック荷台上で荷を支持し,玉外しするためにジブ先端側に立って待機していた.AはCの合図により,荷をトラック荷台上に持っていくため,さらにジブを伸ばそうとしたところ,補巻フックがジブ先端部のシーブに当たり,巻上げ用ワイヤロープが巻き切られる形で補巻フツクのところから切断し,補巻フックが落下して荷台上にいたBに当たった.
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