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原 因 |
本件災害の原因として次のことが挙げられる.
- ガーダ上部のトロリ線の電源を切っていなかったこと.
- 点検台上で作業をせず,ガーダ上に上がったこと.
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対 策 |
同種災害防止のための対策として次のことが考えられる.
- クレーンの点検,補修等を行う際には感電の可能性のある電線の電源を切っておくか,または電線に絶縁用防護具を取り付けること.
保守のために天井クレーンの上に上がり感電するという災害は依然として多発している.クレーンの保守ばかりでなく,足場がわりにクレーンガーダ上にのぼり感電するという例も見られる.ガーダ上で作業を行う場合には接触の可能性がある電線の電源を切り,かつ,作業中である旨の表示をして不用意に電源が入れられないようにしておくか,あるいは,電線に絶縁用防護具を取り付ける等が必要であり,作業基準として確実に実施しなければならない.
- 作業のルールを徹底すること.
本件の場合,作業手順では点検台上で作業を行うこととされていたが,被災者はガーダ上に上がったため感電したものである.関係作業者に対し安全作業標準について繰り返し教育すること,作業開始前には作業方法を再確認すること,本件のように途中で作業者が交替する場合には安全上の注意事項も含め引き継ぐこと,同僚作業者に不安全行為が見られた場合には相互に注意を行うこと等が重要である.
- 安全管理の充実を図ること.
事業場内の安全水準の向上,安全意識の定着のため,経営トップ自らが先頭に立って安全管理活動を実施する必要がある.
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