クレーンの災害事例
CR91102
事  例

ジブが起き過ぎてクローラクレーンが転倒

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 クローラクレーン
被  災 被災者なし 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
原  因 本件の原因としては次のことが挙げられる.
  1. 巻過防止装置の機能を無効にしていたこと.
    本クローラクレーンは主巻き,補巻きとも巻過ぎ状態となったとき自動停止させる装置を有していたが,運転士はこの装置の機能停止スイッチを針金で固定し,常時無効となるようにしていた.
  2. 運転士が席を離れるとき,補巻きのクラッチを切り,ブレーキをかける等しなかったこと.
対  策 本件のように,クローラクレーンでジブを起こし過ぎ,ジブを後方に倒すという災害はかなり発生しており,原因も本件と類似のものである.同種災害を防止するための対策として次のことが挙げられる.
  1. 巻過防止装置は必ず有効な状態で使用すること.
    巻過防止装置と警報と双方の機能を有するもので,巻過防止装置が故障していたため,警報を無視して巻き続けジブが倒れたという例もある.巻過防止装置,過負荷防止装置をはじめ安全装置を無効化することは言語道断であるが,作業前点検においてその機能を確認しておくことも重要である.
  2. 作業終了後は巻上装置のクラッチを切る,運転席を離れるときはエンジンを切る等を励行すること.
    巻上げレバー等は整備不良や振動等によりON状態となることがある.運転席を離れるときはそのようなことがないようクラッチを切る等確実に行うことが必要である.
  3. 運転士に安全教育を行うこと.
    誤った操作,危険な操作を行わないようクレーン運転士等,危険業務従事者に対してはくり返し安全教育を行うことが重要である.
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