クレーンの災害事例
CR91111
事  例

ベルトスリングが切断し荷が落下

[原因と対策]
業  種 運送業 機  種 積載形トラッククレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の落下
 
あらまし 災害が発生したのは道路貨物運送業を営む事業場で,被災者は車両積載形トラッククレーンによる貨物の荷役,運搬を主な業務としていた.被災者が普段運転していたのは,積載重量3tのトラックに,つり上げ荷重2.93tのクレーン装置を架装した車両積載形トラッククレーンである.
災害発生当日,被災者は顧客先に配送する電柱の受け取りのため,午後1時30分頃,電柱が置かれている工場に出向いた.このときの荷は,いずれも鋼製の電柱で,径26cm,長さ8m,重量130kgのもの3本,径20cm,長さ8m,重量77kgのもの21本,径16cm,長さ6m重量50kgのもの8本,合計32本であり,積み込んだ後は一旦営業所に帰る予定となっていた.
被災者は一人で積み込み作業を行い,まず,径26cmの電柱3本をトラック架装のクレーンを使用して荷台に積み込んだ.次に,径20cmの電柱11本(重量約850kg)を両端アイのベルトスリング2本により玉掛けし,クレーンでつり上げていたところ,ベルトスリングが2本ともアイの部分から切断し,電柱が落下して,クレーン操作をしていた被災者に当たったものである.
電柱の積み込みは被災者の単独作業であり,玉掛方法等の詳細は明らかでないが,事故後,ベルトスリングが2本ともフックから外れており,電柱に掛かった状態であったことから,目通しづりで2点づりとしており,フックにかけられていた側のアイが切断したものと推定される.
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