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原 因 |
本災害の原因としては次のことが考えられる.
- 損傷のあるベルトスリングを使用したこと.
ベルトスリングの切断しなかった側のアイにも損傷が見られ,強度が低下していたものと思われる.
- 玉掛用具の管理が不十分であったこと.
玉掛用具の管理は運転者まかせとなっており,玉掛用具の点検,交換が適切に行える体制となっていなかった.また,切断したベルトスリングには使用荷重の表示等がなく,安全に使用できる状態になってはいなかった.
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対 策 |
つり荷の落下による災害はクレーン関係災害の中で最も大きな割合を占め,玉掛用具の損傷によるものも多く発生している.同種災害の防止のための対策として次のことが考えられる.
- 玉掛用具の管理の適正化を図ること.
玉掛用具については作業者個人にまかせるのでなく,担当者を定め,使用期間等を把握管理するとともに,定期的な精密なチェックを行うなどにより,損傷の早期発見,交換を行うこと.また,玉掛用具の使用可能荷重を明示し,作業者が適否を容易に判断できるようにしておくこと.多種の玉掛用具を用意しておき,つり荷に応じて適切な選択ができるようにしておくことも重要である.
- 玉掛作業についての作業標準を定め,作業者に教育を行うこと.
運搬する荷によって,使用する玉掛用具,玉掛方法をあらかじめ定めておき,これを作業者に教育し,安全な玉掛けを行わせる必要がある.同時に玉掛用具の損傷について教育を行い,作業開始前の点検が的確に行われるようにすることが重要である.
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