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原 因 |
本災害の原因としては次のことが挙げられる.
- 巻過防止装置が有効に作動しなかったこと.
天井クレーンの巻過防止装置が故障しており,有効に機能しなかった.クレーン設置事業場ではクレーンの定期自主検査及び作業開始前点検を行っておらず,故障していることを知らなかった.
- 通常と異なる作業方法であったこと.
運搬量が少ないこともあって通常と異なり,タングローリー運転手が一人で作業を行おうとした.この運転手はクレーン運転についての特別教育(現行:床上操作式クレーン運転技能講習)を受けておらず,クレーンの知識が不十分なまま作業を行った.
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対 策 |
同種災害の防止のための対策としては次のことが考えられる.
- 定期自主検査及び日常点検を確実に行い,異常が認められた場合には直ちに補修すること.また,このような検査,点検が間違いなく行われるよう実施体制の確立を図ることが必要である.
- 作業標準を整備し,安全作業の定着を図ること.クレーンの運転は有資格者に行わせること,標準的な安全作業手順を明確にすること等,作業のルールを定め,これにより作業を行わせることが重要である.
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