クレーンの災害事例
CR92082
事  例

風でつり荷が回転し,高所作業中の作業員に接触・転落

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 トラッククレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷、つり具が激突
原  因 高所作業時及びクレーン作業時の問題点として,次のことが挙げられる.
  1. 安全帯を使用せず,防網も張らずに作業させたこと.
  2. 強風の中,荷が振れる可能性のある中で荷上げ作業を行ったこと.
  3. 荷上げ作業を行うにあたり,その周囲での作業の実施につき,あらかじめ連絡調整を実施していなかったこと.
  4. 作業の全体を把握し,移動式クレーンの運転について指示を行う合図者が定められていなかったこと.
対  策 鉄骨の建方作業時における高所作業及びクレーン作業に対する対策としては,
  1. 鉄骨にあらかじめ親綱等安全帯の取付け設備を設置しておく方法,高所作業車の利用が考えられる.本現場においても,他の作業には高所作業車が利用されていた.
  2. 強風のため,荷の振れ等が予想される場合には,クレーン作業を中止すること.また,長尺物など突風によって回転するおそれのある荷については,介しやくロープを使用すること.
  3. クレーン作業を行う場合においては,周辺で行われている作業との連絡調整を含め,その作業方法,手順,合図方法等について打合わせるとともに,合図者を定め,あわせて作業者についてその周知徹底を図ること.
  4. 合図者は,移動式クレーン及び荷の周辺に十分に注意を払い.運転者に合図を行うこと.
が必要である.
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