クレーンの災害事例
CR92092
事  例

法肩が崩れ移動式クレーンが転倒

[あらまし]
業  種 建設業 機  種 ホイールクレーン
被  災 休業3月 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
原  因 本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
  1. 荷下ろしをする場所が,移動式クレーンの能力いっぱいの作業半径の場所であったため,掘削部のすぐ脇に移動式クレーンのアウトリガ一を設置したこと.
    コンクリートを打設して,地盤を補強していたが,掘削部に近かったため,作業を繰り返すうちに地山が横に崩れ,コンクリートとの間に間隙ができ,コンクリートだけではアウトリガーを支えきれなくなって割れ,移動式クレーンが転倒した.
  2. 作業の内容(最大作業半径,荷の重量等)に対して,移動式クレーンの能力に余裕がなかったこと.
    能力いっぱいの作業を要求されたため,掘削部のすぐ横に移動式クレーンを設置しなければならなかった.
  3. 移動式クレーンの使用にあたって,作業内容に応じた作業計画の検討が不足していたこと.
対  策 移動式クレーンの転倒事故については,地盤が軟弱な場所での作業,アウトリガーの張出し不足等いろいろな原因があるが,本災害のようなケースも見られている.同種災害の防止のため,次のことが挙げられる.
  1. 掘削部の側,法肩の側には,移動式クレーンを設置しないこと.
    作業の必要上どうしても設置する場合には,あらかじめ土止めの設置等,法面の補強,鉄板の敷設等十分な措置を行うこと.
  2. 移動式クレーンの設置場所の決定にあたっては,地耐力,法肩の強度等の検討を必ず行い,アウトリガーの反力に十分耐えられる場所に設置すること.
  3. 移動式クレーンの使用にあたっては,必ず作業内容の確認を行い,十分な能力を有するものを選定すること.
  4. 移動式クレーンで作業を行う前には,元請,移動式クレーン運転士,玉掛者,合図者で,必ず事前打合せを行い,作業の方法,転倒を防止するための方法,労働者の配置及び指揮の系統について定め,関係労働者へ周知すること.
cr92092.gif
 
 
[ホーム]