つりクランプが外れＨ鋼が落下

1. つりクランプの使用方法を誤ったこと．
   横づり用のつりクランプで反転作業を行っており，さらにつりクランプの寸法が大きすぎてつりクランプの先端が鉄骨のウエブプレートに当たるため，斜めに取付けられることとなり，つりクランプにフランジが十分に差し込まれていなかった（２図参照）．
2. 反転作業を行うにあたり，その転倒範囲内で手を添え介しやくしていたこと．
3. 玉掛技能講習修了者に玉掛けの業務を，クレーン運転特別教育修了者等にクレーンの運転を行わせなかったこと．被災したＣのみが玉掛技能講習を修了していたが，玉掛けの状況を確認していなかった．

1. つりクランプの用途に応じた玉掛け方法で，その使用方法を守り，使用すること．
   つりクランプは種類も多く，その用途を誤ると外れる危険性がある．種類に応じた使用方法，注意事項を守って使用することが必要である．
2. 反転作業を行う転倒範囲内は，立入禁止とすること．
   つりクランプ１個で玉掛けした荷の下への立入ることは禁止されている．なお，原則として，つり荷の下への立入りは禁止すべきものであり，荷の反転作業においても，その転倒範囲内への立入りは禁止する必要がある．
3. 玉掛技能講習修了者に玉掛けの業務を，クレーン運転待別教育修了者等にクレーンの運転を行わせること．
   無資格者による作業を防ぐためには，あらかじめ作業に必要とされる技能講習及び特別教育を受講させ，必要な人数の有資格者を養成，特別教育を実施しておく必要がある．なお，つりクランプ等の使用については，本年８月に改正されたクレーン等安全規則であらたに規定されたので，確認されたい．