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あらまし |
災害の発生した事業場は,鉄鋼製品を取り扱う倉庫を持った事業場であり,この災害は鋼管の野積みヤードで,出荷作業中に発生した.
当日の作業は出荷のため,橋形クレーン(運転室付,定格荷重10t)を用いて鋼管(長さ6m,直径71cm,重量約1.4t)6本を10tトラックに積み込むもので,玉掛け作業者A及びB,クレーン運転室で運転をする運転士C,トラックの荷台の上で玉掛けを外すトラック運転手Dの4名で行っていた.クレーンの合図は玉掛作業者Aが行い,玉掛けの方法は,ワイヤロープのアイにC環を掛け,そのC環を鋼管の両端に掛ける2本づりで行っていた.
3本の鋼管をトラックに積み終え,4本目の作業に取りかかり,Aが鋼管の北端に,Bが南端にC環を掛け,Aがつり上げの合図をした.
そのときBは安全な場所へ待避したが,Aは風のためにつり荷の鋼管が揺れないように手を添えながらつり上げていたところ,2mほどつり上げたとき鋼管がAの上に突然落下して,Aは下敷となり死亡した.
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