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原 因 |
本災害の原因としては,次のことが挙げられる.
- C環が鋼管の端部に確実にセットされていなかったこと.
- つり荷のそばで,手を添えたまま荷を巻き上げさせ,荷の下に立ち入ったこと.
- 風のため荷が揺れる状態でクレーン作業を行ったこと.
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対 策 |
つり荷の落下災害は非常に多く,クレーン等に係る死亡事故の約3割を占めている.
この災害は,玉掛作業の効率化,省力化のために種々の玉掛用具が使用されている中で発生したものと考えられ,次のような対策が必要である.
- 鋼管の玉掛用具として,確実で安全なものを使用すること.
C環はその使用方法から見て,ハッカーの一種と考えられるが,鋼管への掛かりも浅く,荷が外れる危険性が高いものである.鋼管への掛かりの深い鋼管玉掛用のハッカーも販売されており,より安全な玉掛方法とする必要がある.
- ハッカーでつった荷の周辺に立ち入らないこと.
ハッカーによる玉掛けは,荷の一部にハッカ一を引っ掛けるため,荷の揺れ,衝撃により外れやすくなるため,その周辺,直下には立ち入ってはならない.
- 風のため荷が揺れるような時には,クレーンの作業を中止すること.
とくにハッカー等による玉掛けのように,外れる危険性の高い玉掛方法及び管のように体積の割に軽い荷をつるときには注意が必要である.
以上の事項は,いずれも今回(平成4年8月)のクレーン等安全規則の改正であらたに決められた事項である.今回の改正を十分埋解し,同種災害を防止する必要がある.
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