クライミングクレーンのジブが落下

1. 起伏用ウインチのベアリングが壊れ，歯車の噛み合わせが無くなり，ウインチドラムがフリ一の状態になっていたこと．
2. 起伏用ウインチのギヤケースの中に大量の水が入り，潤滑グリースが劣化し，ベアリングが壊れていたこと．
   ギヤケース内の錆びの状況を見ると，かなり以前から水が入っていたと考えられる．
3. 異音がしていたにもかかわらず，直前の定期自主検査でその原因を究明していなかったこと．

1. ウインチのギヤケース内の歯車についても，定期的に開放し点検整備を行うこと．
   ウインチの取扱説明書によれば，歯車については１年に１回，分解点検をすることを求めている．
2. 屋外で使用されるウインチについては，防水について十分に注意し，ギヤケースのふた等の締付け，密閉を確実に行うこと．
   このようなクライミングクレーンは，工事が終了すると，ヤードで野ざらしのまま保管されることが多く，防水について特に注意が必要である．
3. 異常の兆候を発見した場合には，その原因を追及し，補修等の措置を確実に実施すること．
   月例の定期自主検査においても，異常があれば，ギヤケースを開放して点検整備を行うよう検査規定を整備しておく必要がある．