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							| あらまし | 
							
								本災害は,谷間に土止め用堰堤を設置する工事中に発生したものであるが,工事は概ね次の手順で行われていた. 
								
									- 工事箇所の谷が急峻であったため,資材及び生コンクリート運搬のためのケーブルクレーン(つり上げ荷重1.5t,両端固定,スパン180m)を谷の両サイドに懸けて設置する.
									
 - パワーショベルで現場の床掘りをする.
									
 - 型枠を設置する.
									
 - 生コンクリートを打設する.
								
  
								災害発生当日は,ケーブルクレーンに生コン用バケット(容量0.5立方m,重さ200kg)をつり,コンクリート打設作業を行っていた. 
								作業者の配置は,ケーブルクレーンの運転を1名,生コンをバケットに入れる作業を2名,生コンを型枠に流し込みバイブレーターをかける作業を2名で行い,被災者はコンクリート打設箇所でケーブルクレーンの運転者に対して合図を行うというものであった. 
								バケットは,そのつり金具をケーブルクレーンのフックに直接掛けてつろうとしたが,外れ止め装置の戻しバネが壊れており,外れ止めの機能を果たしていなかったため,番線でつり金具とフツクを固定した. 
								10数回目の生コンを,バケットから降ろし,バケットを上昇させ,主索に沿って移動させようとした瞬間,バケットがケーブルクレーンのフツク(高さ47m)から外れて落下し,下にいた被災者を直撃した.
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