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あらまし |
この災害は,岸壁に設置したトラッククレーン(ジブが伸縮しない型式,つり上げ荷重35t)で,貨物船に鋼材(計720t)を積み込む作業中に発生した.
当日の作業は,トレーラーで,運ばれてきた鋼棒の束を玉掛けし,合計720tの鋼棒を貨物船の船倉に積み込む作業であった.
この作業は5人で行い,貨物船の甲板上の両方の作業が確認できる位置に作業指揮者Aが立って,移動式クレーンの運転士に合図を行い,トレーラー上での玉掛けを作業員B,Cが,貨物船の船倉内での玉外しを作業員D,Eが行っていた.
朝から作業を始め,2台のトレーラーの荷,合計60tの鋼棒を積み終え,3台目のトレーラーの荷の積込みにかかっていたが,3段に積まれた最上段のl束(約1.7t)を積込み,最上段の残りの4束(約7t)をつり上げて旋回を始めたところ,巻上げ用ワイヤロープが切断し,荷が落下し,枕木をはね上げた.
そのとき,枕木を片付けようとして,枕木に近付いていたトレーラーの運転士に当たったものである.
なお,そのときの移動式クレーンの定格荷重は11tであり,過負荷にはなっていなかった.
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