クレーンの災害事例
CR93081
事  例

玉外し作業中荷が落下

[原因と対策]
業  種 道路貨物運送業 機  種 ジブクレーン
被  災 死亡 1名 現  象 積荷等荷の落下
 
あらまし この災害は,岸壁に設置された高脚ジブクレーン(つり上げ荷重24t)で,ヤードに野積みされている角形鋼管(35cm,長さ12m,重量2t)をトレーラーに積み込む作業中に発生した.
当日の作業は,15本(重量30t)の角形鋼管をトレーラーに積み込むための作業であり,港湾荷役会社の作業員A,B,Cと運送会社のトレーラー運転手Dの計4人が従事した.
Aは玉掛けと積み込みの両方の作業を見通すことができるトレーラー上の位置に作業指揮者として立ち,クレーン運転士への合図とトレーラー上における玉外しの作業を運転手Dとともに行い,作業員BとCはトレーラーから約50m離れた場所に野積みされている角形鋼管の玉掛けを行っていた.
枕木として5本の角材(13cm角)が並べられたトレーラーの荷台上に,まず4本の角形鋼管(幅約1.4m)を積み込み,つぎに,荷台の幅一杯になるような3本の角形鋼管(幅約1.05m)を既に積み込まれていた鋼管の横に降ろした.
その後,トレーラーの荷台後方の玉掛け用ワイヤロープの片側のアイをAが,前方の玉掛け用ワイヤロープの片側のアイをDがそれぞれクレーンのフツクから外し,玉掛け用ワイヤロープの片側のアイはクレーンのフックに掛けたままの状態で,作業指揮者Aが巻上げの合図をした.
クレーンのワイヤロープを巻上げ始めたところ,玉掛け用ワイヤロープが枕木と角形鋼管の間に引っ掛かり,3本の角形鋼管がトレーラーの荷台から落下した.そのとき,運転手Dはその上に立っていたため角形鋼管とともに転落し,角形鋼管の下敷きとなった.
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